HEALTH


ドーベルマンの遺伝性疾患と遺伝検査について

 

ドーベルマンに限らず、どんな犬種でも遺伝的な健康問題を抱えております。

日本では人気犬種のプードルやダックスはPRA(進行性網膜萎縮症)、ボーダーコリーはCLなど耳にした方は多いはずです。プードルやダックスは人気犬種であるが故に一般愛犬家の間でも知識として持ち合わせる方も多いです(発症例が多くあったことも関与していますが)その為、良識あるブリーダーさん達の間では繁殖犬達のPRA遺伝検査をおこなっている方が少なくありません。

 

ではドーベルマンはどうでしょうか?

 

ドーベルマンにはvWD(フォン・ウィルブラント病)はじめ拡張型心筋症、甲状腺伊能低下症、股関節形成不全、ナルコプレシーなど遺伝的疾患とされる問題があるにも関わらず残念ながら国内のブリーダーで遺伝検査をおこない、それを公開しているところは皆無です。

欧米においては良識あるブリーダーは繁殖にもちいる個体に対して遺伝検査をおこない

STUD DOG(種牡)においては検査済みの結果についてはすべて公開しております。

このことにより繁殖を考えるブリーダーは自分の犬の検査結果をもって次世代の子犬が

受け継ぐ遺伝疾患を予測し、防ぐことができます。

ですが国内では遺伝検査の公開どころか検査すらおこなわれていないのが現状です。

私も自分の犬達の遺伝検査をするにあたり自分の犬達だけおこなって意味があるのか?

と考えたこともありました。

ですが知っていてやらないのは信条に反しますし、自分の犬を知ることで多少なりとも

遺伝的疾患を防げる場合もあると思い数年前より繁殖をする予定の子達は遺伝検査を

おこなっております。

以前はvWDやカラー、ナチュラルボブテールのみでしたが昨年より新しいラボにかわり拡張型心筋症の検査も可能になりました。

現状では遺伝疾患のみに拘っての繁殖は難しいですが将来子犬を繁殖したいとお考えの

方にはお譲り前に遺伝検査(費用別途)をおこなうことが可能です。

また、ご自分の愛犬の遺伝検査をおこないたい方にはラボをご紹介します。

 

本当の意味での健全なドーベルマンを未来に繋いでいきたいと願っています。

 


        

ドーベルマンの拡張型心筋症について❕

「ドーベルマンの心筋症」といわれるくらいドーベルマンは拡張型心筋症(DCM)という心疾患の好発犬種です。
遺伝子、環境要因など原因は様々で未だ不明瞭な点の多い疾患です。
残念ながら現時点では予防はおろか発症すると完治する治療法もみつかっていません。
飼い主さんも分からないうちに発症し突然死をとげることも多いです。

不明瞭な点が多いため海外では遺伝子検査やスクリーニングが頻繁におこなわれ、未然に防ごうという動きがあります。
しかし、ここ日本では遺伝子検査も動物病院でおこなえるはずのスクリーニングも充分に出来ていないのが現状です。
悲しいことに獣医師自体もその事に注目してくれていません。あえて書くなら知らないために誤診をまねいています。

検査の盛んなヨーロッパでは55%、カナダ48%という罹患率が出ています。つまり2頭に1頭です。
但し、これは系統や国によって異なるとされています。では日本は?
残念ながら今日まで調べる術はありませんでした。
流行りの民間の遺伝子検査ラボではドーベルマンの遺伝子はv WDくらいしか検査できません。

ところが2020年8月より遺伝子検査を国循で、心電図*心臓エコー*バイオマーカーなどを千葉県内の動物病院でおこなっていただけることになりました!
すでに犬の心疾患の研究に実績をお持ちだった県内で開業されていた先生に声をかけたことから始まりました。
先生のご尽力でアレよアレよというまにドーベルマンの心疾患の検査に対応できる体制が整いました。

遺伝子検査はDCM1、および2型に加えCFA5も検査します。CFA5の検査は海外のラボでも検査しているところは稀です。
スワブではなく採血による検査になりますが同時におこなう生成検査は、やはりドーベルマンに多い肝臓や甲状腺も調べていただけます。
千葉県内の動物病院に赴いていただければ心電図などの機器による検査も可能ですが遠方の場合には、ご自身のかかりつけ医さんに協力いただき採血して送付する方法もあります。
心電図計測には簡易測定器の貸し出しもございます。
これらは全て無償です。但し初回にカルテ作成代だけお願いしています。
またアメリカン、ヨーロピアンのタイプは問いませんが将来データ化するために血統書は必要となります。
DCMは5歳齢から発症率があがるといわれています。ご愛犬の健康状態を知るうえでも是非この研究にご協力お願いします。

ご関心のある方は(お名前、お住まいの地域記載で)お気軽にご連絡ください。


2021年8月現在 既に60頭以上のドーベルマンと飼い主さんに検査研究に協力していただいております。
2024年現在、無償検査期間は終了しています
impdb1106@icloud.com